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真空調理の基本と新調理

真空調理の基本と新調理

コラム 金森啓次

真空調理の基本

定義は、生の食材、下処理した食材を場合により調味料と共に真空包装し、科学的根拠に 基づいて、食材のもっとも適した、かつ安全な加熱温度で、湯煎又は低温スチーム(50°C~99°C) で加熱する調理法です。

従来と違うことは、食材を真空専用の特殊な袋で包装することと、低温で一定時間加熱すること。これらのことが、美味しく仕上げられる要因といえます。

調理工程を客観的に時間と温度に置き換え分析し体系化することで、誰でも同じレベルの料理を作りだせます。また真空包装で保存をすることで、それを担当する調理人が休みでも 同等の料理の提供が可能になります。

新調理とは

従来からある調理法のクックサーブとクックチル、クックフローズン、真空調理の 4つの調理法を総称して新調理を指します。

特に後ろ3つは、新しい調理法、保存法を取り入れ、調理を科学した数値による高度なマニュアル化を目指しています。

真空調理法の実際の流れ

1.生の食材の下処理

真空調理法は新鮮な食材を使うことが前提。鮮度が悪ければ、悪い部分が強調され細菌の衛生上の問題も発生する。

灰汁、くせの強いものは、湯通ししたり、食材の表面に焼き色をつけたり、野菜や甲殻類は色だしも行う場合がある。

2.袋詰め(真空専用の袋)

直接手を触れさせない事が重要。熱いものは完全に冷やしてから袋詰めする。 加熱温度の違うものは、必ず別々の袋を使用する。

3.真空包装

食材の入った袋を真空パック機に入れ、食材、仕上げの状態別に真空する時間、真空度数を調整し、食材周辺の空気を抜き、シールする。

4.一時加熱

パックした袋ごと、湯煎、スチームコンベクションオーブン(低温スチーム)で一定時間加熱する。

5.急速冷却・保存

一時加熱終了後そのまま提供するか、保存が必要になる。

保存は細菌の増殖を防ぐため専用の冷却機、又は氷水につけて食材の中心温度を90分以内、3°C以下に下げ、チルド(0°C~3°C)で保存し7日間可能。それ以上の保存は必要な場合は-22°C以下の冷凍保存が必要となる。

6.最終加熱

袋ごと湯煎又はスチコンで最終加熱。食材の中心温度は基本的に1時間以内に一時加熱と同じ温度帯に上げるのが目安。味の劣化を避けるために加熱温度を極端に上げないように注意する。

又、最終加熱したものを再度チルド保存したり、再び加熱することはよくない。

7.仕上げ

袋から取り出し、最終処理を施し、盛り付けする。

真空調理のメリット・デメリット

メリット

1.素材本来の風味・旨味が逃げず、ビタミンの破壊は少ない
2.素材の酸化・乾燥が防げる
3.加熱による歩留まりが良い
4.調味料・香辛料がよくしみ込み、少量で味が均一につく
5.煮崩れが少ない
6.柔らかく、ジューシーな仕上がりが期待できる
7.計画生産が可能になり、作業効率があがり、数値化できる
8.大量調理や食材の安価時に大量購入し、真空調理し保存が出来る
9.二次汚染の防止、ストックヤードの整理整頓、ケータリングが可能になる

デメリット
1.初期の設備投資が必要
2.食品衛生を身につけ、調理技術、理論をマスターした人材が必要となる
3.調理人の意識改革(邪魔くさい、新しい機器の取り扱い、管理上のルールなど)
4.嫌気性細菌の問題(真空状態でも増殖可能な菌)